裁判員裁判の基礎知識
裁判員裁判がどうして実施されることになったのですか?
平成21年5月からいよいよ裁判員の参加する刑事裁判手続(以下これを「裁判員裁判」と言います)が始まります。
この裁判員裁判の目的は,「国民の中から選任された裁判員が裁判官と共に刑事訴訟手続に関与することが司法に対する国民の理解の増進とその信頼の向上に資すること」とされています。
これによって,刑事訴訟手続の一部の手続は大きくかわることになります。
裁判員が選任される刑事裁判とはどのような事件ですか?
裁判員が選任される裁判は,刑事裁判だけです。
そして,この裁判員裁判の対象事件は,死刑又は無期懲役・禁錮に当たる罪等の重大事件が対象となります。
主たるものとしては,殺人罪,強盗致傷罪,現住建造物放火罪などです。
公判前整理手続ではどのようなことをするのですか?
裁判員裁判は,連続・集中して審理を行う関係から,充実した公判の審理を行うために公判前整理手続が必ず行われることになっています。
ここでは,検察官は予め,公判でどのような事実を主張し,この事実を裏付ける証拠としてどのようなものを提出するか明らかにします(「証明予定事実」といいます)。
これに対して,弁護人は,弁護人としての予定主張を明らかにするとともに,検察官の証拠に対する意見を述べたりします。
また,場合によっては,検察官がもっている証拠を開示させることもできます。
このやりとりによって,事件の争点を明らかにしていき,充実した公判審理を実現することを目的にしているのです。